地熱を調べた際に、光が当たらないはずの地中に微生物がたくさんいるということを知りまして、地中の微生物を調べていたら、粘土鉱物という単語を知りました。海洋地殻上部の玄武岩内の亀裂を埋める粘土鉱物から、微生物が人間の腸内と同等くらいの密度で見つかったそうです。粘土鉱物は層状になっているようなので、その層と層の隙間から微生物が見つかったということでしょうか。

粘土といえば、土や砂や泥の一種くらいに思っていたのですが、粘土を構成する粘土鉱物というものを調べてみると1000の用途が期待されるスゴイ物質なのですね。層と層の間に水が入ると止水バリア材になり、樹脂が入ると耐熱材になり、圧力に反応する有機物が入ると圧力センサー膜になり、光に反応する有機物が入ると光記憶膜になると。粘土鉱物は万能なミルフィーユなのだそうです。粘土スゴイ。
陶芸で粘土に水を加えると柔らかくなり、火で焼くと耐久性が格段に上がるのも、層状の粒子の働きによるものだそうです。焼いた粘土はセラミックスとなり、高硬度・耐熱性・絶縁性などを持つ優れた素材になるというのもスゴイことですね。

そして、粘土鉱物は表面に負電荷を帯びているので、層と層の間に正電荷を帯びている放射性セシウムを吸着することが可能なのですね。一部の粘土鉱物はセシウムを内部に取り込んで固着することもできるとか。
さらに、粘土鉱物が二酸化炭素の呼吸をするような動きも発見されたと。これは層と層の間に炭酸イオンと二酸化炭素が交代で出たり入ったりしたということでしょうか。層が細かいので、層と層の間に入るものよって特性や性質が大きく変化するのでしょうね。

まさに粘土には1000の用途がありそうですね。大きい岩石のときは大地を支えて、細かくなったら粘土鉱物となって、多機能になっていく。どのような状態であっても、多くの役割を持つ鉱物はスゴイですね。粘土鉱物スゴイ。地球スゴイ。