海の循環を調べていたら植物プランクトンがよく出てくるのですが、藻類の一種なのですね。藻類である海藻や海草が茂って形成するエリアを藻場というらしいのですが、海の中に森林があるという意味で、海の森とも呼ばれるみたいですね。森と同じく光合成をして、水をきれいにしたり、多くの生き物の住処となるそうです。

森が落ち葉などの有機物を地表に蓄えるように、海の森も枯れた藻類などの有機物を海底に蓄えているそうです。有機物に含まれる炭素を留めていることから、ブルーカーボンと呼ばれているようです。海の森を構成する藻類は、主にワカメ、コンブ、ノリ、ミドリムシ、クロレラなど。全て聞いたことがある海藻ですが、特にミドリムシの凄さは有名ですね。光合成をしながら動くことができる、植物と動物を併せ持つ生物で、栄養ドリンクのような高い栄養素を持つそうです。青魚がEPAやDHAを含むのも、元はミドリムシが生成していて、それを食べて体内に入れているのだとか。
藻の中には、海ではなく温泉に住む種もいるようです。ガルディエリアと呼ばれる藻は、他の生物が生きていけない硫酸性で二酸化炭素100%の環境でも生きていけるようで、そしてなぜか金属を集めるそうです。その特徴を利用して、金やレアメタルを集める試みが行われているようです。
藻スゴイのですが、そもそもなぜ金属を集める役割があるんでしょうか。似た存在に苔があるようで、苔も金属を集めるのですね。藻や苔が金属(ミネラル)を集めて他の生物に循環するためなのか、それとも金属を取り除いて水をきれいにするためなのか。自身の生命活動に使わない物質を吸着するというからには何か意味があるような気がするのですが。
また藻類の中には、石油のようなオイルであるバイオ原油を生成するオーランチオキトリウムという藻もいるようです。光合成もせずに増殖可能で、周囲の有機物を取り込むことで生きてオイルを生産するそうです。

そして、最近のニュースですが、通常は直接取り込めないはずの窒素を取り込む藻が見つかったそうです。マメ科の根に共生している根粒菌やメタン菌などしかできないと思われていた窒素固定という能力が、ビゲロイという藻から発見されたと。培養が難しかったみたいですが、うまくいったのは同じ藻類であるテングサから作られたところてんを培養に使ってからだそうです。

藻の役割も藻の可能性もスゴイですね。生態系はスゴイ。地球スゴイ。