地熱を調べているときに、地中には多くの生態系があることを知りました。生命に溢れている地表と同等か、それ以上に地中には生命がいるのですね。地球内部の地下数千メートルから、多くの生命体が見つかっているそうです。地球内部で生物が存在しうる領域は海の体積の2倍もあるようで、地球全体の微生物の約70%が存在する可能性があると。
それにしても、太陽の光も入らず、地表よりも高い温度の中で生命活動を行っているのはスゴイことですね。当然、地上の生態系とはかなり異なる生態系なようです。120度の熱水に耐える微生物がいたり、岩石をエネルギー源とする微生物がいたり、メタンからエネルギーを得る微生物がいたり。その様子は広大な生命体の森のようだそうです。

他には、深部地下に石炭を食べて天然ガスをつくる微生物がいたり、地下300mの花崗岩中の地下水に硫酸や放射性元素のウランで呼吸する微生物がいたりするそうです。ウランで呼吸する生物がいるのですね。生物の多様性スゴイですね。地中での生物の営みが多くの天然資源を生み出してくれているのかもしれませんね。
そして、これらの地中の状態は、光合成を行う生物が現れる前の地球初期の状態に近いみたいです。なので、地中の生物を調べれば地球初期の生物の手掛かりが見つかるかもしれない、という考えもあるようです。特に地中の状態は太古の時代から大きく変わっていない可能性もあるため、地中の生物も太古の時代からそのままの形で生きている可能性もあるそうです。確かに、地層を含め地中には歴史が詰まっているイメージがあります。地中の新発見が楽しみですね。
また、地下水があるように、地下には大量の水があるという説があります。中には地下に海洋が存在するという話もあるようで、マントルが海の5倍程もある大量の水を保持しているとか。地球はかなり多くの水を保有しているのですね。それほど水があるとしたら、地中に生命が多いのも納得のような気もします。この地中の水も地殻運動などによって壮大な循環をしているのでしょうね。

そして、少し不思議な表現ではあるのですが、地球の内部に山があるらしいのです。地下660キロメートル付近の、マントルの上部と下部の境界面に沿って巨大な山々が連なっていて、中にはエベレストより高い山もあるのだとか。地中の発見はスケールが大きいですね。

地中には山も海みあり、生命体の森のような生態系もあるようです。普段目にすることがなく、謎が多い地中ですが、その営みのおかげで地表の営みがあるのだと思われます。地中スゴイ。地球スゴイ。