菌糸ネットワークを調べていたら、ブナの木が出来てきました。ブナは森の母、森の女王と呼ばれているのですね。ブナが実らせるたくさんの実は、食べにくいタンニンなどがなく栄養価がとても高いので、森の動物たちにとっての貴重な食糧だそうです。ブナがある森の土はふかふかで多くの水を保持しているため、ブナのある森は生態系豊かになるのだとか。

ブナは数年に一度、豊作になり大量の実を落とすそうで、どうやらこれはブナの生存戦略のようなのです。平年の実の数を低く抑えておくと、実を食べる動物や虫の個体数も抑えられるので、豊作の年の実は食べ尽くされずに残るのだとか。マスティングと呼ばれる生存戦略なのですね。ブナ、スゴイ。

ネズミやリスが一カ所にブナの実を集めて貯えることを貯食行動というのようなのですが、忘れられた貯食から芽が出ることで種子が散布されるということがあるそうです。動物も忘れることがあるのですね。その場合は芽がまとまって生えるのだとか。
ブナを食べる虫は、実を食べるブナヒメシンクイ、葉を食べるブナアオシャチホコが代表的みたいですが、前者はマスティングで対応しているようで、後者は冬虫夏草が対応しているみたいなのです。大量発生しても1~3年以内に終息する理由は、地中でサナギになった虫をサナギタケが菌糸で捕えるのだとか。こうやって生態系のバランスを取っているのですね。

ブナの地中には広大な菌糸ネットワークがあるそうで、菌類との共生の他、幼いブナの樹に栄養を渡したり、樹同士で会話しているという話もあるようです。もしかしたらマスティングの時期もブナの樹同士で話し合っていたりするのかもしれませんね。幼いブナの樹は、樹高が低いので光があまり当たらないため、なるべく平べったくなって光を得るそうです。樹高が高くなると光が得られやすいのでスリムになるのだとか。ブナの知恵はスゴイですね。
また、ブナは極相種とも呼ばれ、極相林を構成する樹種なんですね。極相林は、その土地の気候に最も適した樹木・植物の状態にたどり着いた森林のことのようで、生態系を安定させて多様性が非常に高い状態になるそうです。生長したブナは100~200年単位で代替わりをしながら、極相状態を維持するのですね。
ブナについて調べてみましたが、豊かな森林を保持して、多くの生物を支えているブナの樹は偉大ですね。知恵あるブナ、スゴイ。大樹を擁する地球スゴイ。