寿命に敬意を表して

時間に敬意を表して

バクテリアを調べていたら、単細胞生物には寿命という概念がないということを知りました。単細胞生物は分裂を繰り返して増え続けるため、細胞は連続しているようなのです。有性生殖をすると分裂の回数はリセットされるため、理論上は無限に分裂できるのだとか。こうなると寿命って一体何なのだろうと思ってしまいます。

単細胞生物は死なない?永遠に生きるの?寿命はあるの?
単細胞には「死がある」という人と「死なない」という人がいる この動画を YouTube で視聴 福岡伸一氏著の「生命の逆襲」には次のような文章があります。 ところが単細胞生物には死がありません。もちろん栄養不足などで分裂 ...

動植物などの細胞は分裂するごとに、染色体末端にあるテロメアと呼ばれるタンパク質構造体が短くなり、ある程度まで短くなると細胞分裂が停止するそうです。テロメアの長さは種によって異なっていて、減り方も種によってだいぶ異なるみたいです。テロメアの長さと減り方によって、種ごとにだいたいの寿命の度合いが決まることになると考えられているようです。

テロメアグループ|石川研究室
京都大学大学院 生命科学研究科 細胞周期学分野のホームページヘようこそ!/ Welcome to the Ishikawa lab's homepage.

生物の中には、短くなったテロメアを修復して、若返ることができるベニクラゲという生物もいるようです。ベニクラゲは成体となって有性生殖を行なった後に、ポリプという幼い状態に若返るということを繰り返すため、不死化した形質呼ばれる状態になるそうです。ここでも寿命という概念がないみたいですね。生物は不思議ですね。

ベニクラゲが「不老不死の生物」と呼ばれる理由とは?
不老不死のベニクラゲ クラゲの一種であるベニクラゲは「不老不死」と説明されることが多い生物です。 なぜベニクラ…

他に長寿な生物は、500年以上生きるアイスランドガイという二枚貝や、推定2万3000歳の個体がみつかったガラス海綿類や、群体の年齢が約7,000年とされるツノサンゴなど。また、脊椎動物の中で最も長寿のニシオンデンザメは400年以上、ガラパゴスゾウガメは250年以上、ホッキョククジラは200年以上の寿命を持つとか。長寿と海には何か関係があるのでしょうか。

推定2万3000歳!?「不老不死」を手に入れてしまった最強生物たち - ナゾロジー
「人間50年」も遠い昔となり、現在は「人間80年」時代に入っています。それでも100歳まで生きる人は少なく、不老不死も夢のまた夢の話です。しかし、この広い地球を見渡してみれば、私たちより遥かに長く生きられる生物はたくさんいます。それでは、今...

植物も長寿な種が多いイメージですが、ポシドニア・オセアニア・シーグラスは10万歳、縄文杉は2,170年~7,200年、ウェルウィッチアは2000歳なのだそうです。

植物には到底かなわない。数千年から数万年も生き抜いている生きている、地球で最も長生きな10の植物 | カラパイア
ブルックリンを拠点に活動しているアーティスト、ラケル・サスマンは、生物学者の協力を得て地球上で長らく生き続けている生命体の写真を、2004年から撮り続けている…

反対に寿命が短い種には、昆虫が多いみたいですが、特にウミユスリカは成虫になるまで約3週間、成虫になった後の余命は何と1時間程度なのだとか。1時間の命というのは衝撃ですね。他に寿命が短いイメージのある昆虫をいくつか。セミは約6~7年で成虫になり余命は約2週間、カゲロウ約1年で成虫になり余命は数日~約1週間、ホタルは約1年で成虫になり余命は数日~約2週間だそうです。哺乳類や爬虫類の中には、寿命数か月という生物もいるみたいです。寿命って何なんでしょうね。

たった一時間!?悲しいほど短命な動物たち3選
こんにちは。えたばりゅです。 今回は超絶短命な動物たちを種族別にご紹介したいと思います。日本では医療技術の発展や、人々の健康意識の向上などで、最近は人生100年時代なんて言われるようなってきましたが、

寿命の概念がない生物もいれば、極端に短い寿命の生物もいるようで、寿命って一体何なのだろうか、生と死って何なのだろうか、と思ってしまいました。日常の感覚では理解できないもののように感じますが、これも生命の神秘さなのでしょうか。寿命、スゴイ。地球の生命、スゴイ。

タイトルとURLをコピーしました