最近ふと、なぜ指は5本指なのだろうかと思いまして。体も、頭、右腕、左腕、右脚、左脚の5肢なのには何か意味があるのではないかと。犬などは前足だけが5本指だそうですが、多くの哺乳類の指は5本だそうで、馬なども5本指から変化してひずめができたのだとか。両生類は犬と逆で後ろ足が5本指で、爬虫類もほぼ5本指なのですね。

そのように思って5という数字を調べていると、ヒトデは中央の口から5本の腕が放射状に伸びるという形状をしていて、五放射相称というのですね。ウニ・ヒトデ・ナマコなどの棘皮動物は五放射相称を持つようです。棘を除いたウニの殻も五放射で、歯も5本だそうです。ナマコの触手の数も大抵5の倍数になっているのだとか。なぜ5なのでしょうね。

花も、花弁が5枚のものが多いようで、種子植物219科のうち約40%が5枚だそうです。5方向に対称的な植物の特徴は5数性と呼ぶようで、サクラ、アジサイ、バラ、ナス、ウリ、キキョウ、カエデ、ツバキ、ブドウ、ミカン、マタタビなどが該当するようです。オクラの断面が5角形なのも5数性だからだそうです。植物の進化の中では、5数性を持つ植物は比較的新しい種のようです。

なぜ5なのか、ということに関しては諸説ありそうですが、調べてみた内容によると、
ヒトデなど、ゆっくり動いて地面にある食物を捕える生物は、5放射形が捕獲効率が高くなるそうです。なんでも6放射形よりも隙間ができにくいのだとか。動物の5本指も同じ理由になるのでしょうか。逆に、速く動いて食物を捕える生物は左右対称になっているみたいですね。花弁は、昆虫を誘う看板であり、着陸する滑走路だという捉え方ができるそうです。これが6放射形だと着陸して飛び立とうとすると頭がぶつかってしまうが、5放射形ならぶつからないのだとか。
これらに関して、本川達雄さんの書かれた「ウニはすごい、バッタもすごい」という本に詳しい解説があるようです。

なんとなくですが、自然の中では、主に3放射~6放射の中から目的にあった高効率の形を選んでいるような気がします。3,4,5,6は正多面体の構成要素でもありますし、何か関連があるのかもしれません。7になるとかなり希少な存在になるような。
五放射相称、五数性の花弁、五芒星、五角形など、72度回転すると同じ図形になる性質を5回対称性と呼ぶそうです。対称性があるものは美しく感じますが、五芒星は特に黄金比が含まれるため、神秘的で美しく感じるのかもしれません。
この五芒星は金星の軌道から生まれているのですね。金星は地球より早く軌道を巡り、1.6年ごとに地球を追い抜かすそうで、これを会合と呼ぶそうです。金星は8年間に5回地球と会合し、会合場所を順番に線で結んでいくと軌道上に五芒星が描けるのだとか。地球と金星の描く、壮大な図形だったのですね。5回対称性、スゴイ。地球と5の関係、スゴイ。