波に敬意を表して

現象に敬意を表して

様々な現象を調べていると、波の話が出て来ます。波といえば、海で生じる海波が代表的であり、目で見て最も直観的にその動きや働きが感じられる波だと思われます。その波の特性を持つものは次々と明らかにされ、水の高低運動が海水を伝搬する水面波、空気の粗密が空間を伝搬する音波、電磁気の変化が電磁場を伝搬する電磁波・光・電波、断層運動が地中を伝搬する地震波、重力場のゆがみが重力場を伝搬する重力波などがあるようです。そもそも、物質を構成する粒子自体が波としての性質も持つそうなので、たいていのものは波から出来ているということなのかもしれませんね。

生体分子の「波」としてのふるまいを初めて測定=ウィーン大学
量子力学では、すべての物質は波と粒子の両方の性質を備えるが、巨視的な物質では波としての性質を測定することは難しい。ウィーン大学の研究者らは、生体分子が示す波としての性質を実証する自己干渉パターンの測定に初めて成功した。この実証実験は量子生物...

波は周期的な動きをするために、サインカーブで表現されることもあると思われますが、押し寄せるような動きを見せる海の波は、海水が円運動をしているようなのです。波と円運動は関連深いのですね。静かな水面に一滴の水を落とした時の波紋の広がり方も円状で、空間なら球状に広がると思われるので、円としての要素は多いのでしょうね。

波の種類

海や川で起きる波は、空気に触れる面積を増やすので、酸素を取り込む役割があるようです。特に海は、まるで呼吸をしているかのように、空気との界面で酸素や二酸化炭素などを気体交換しているのだとか。波が大きくなったり、砕けたりするとその量も増えるようです。

溶存酸素(DO) | 大和総研
水中に溶け込んでいる酸素(Dissolved Oxygen)を指し、水1ℓに含まれる酸素量(㎎/ℓ)で表示されることが多い(※1)。

そして、海の内部にも波は起きているようで、水温躍層と呼ばれる水温や密度が異なる境界面があり、その境界が波打って伝搬しているようです。内部波は、波の高さが30~40mと大きく、台風時の沿岸部では80~100mにも達するのだとか。すごい高低差ですね。海水交換の役割もあり、浅瀬で波は砕けて深層水の豊富な栄養素を提供してくれるそうです。波によって循環していたのですね。波、スゴイ。

試験研究は今 No.410「海の中の大きな波の話」(2000年1月14日)

他には、生物の縞模様やヒョウ柄、ぶち模様などは、チューリング波と呼ばれる波のパターンが作るのだそうです。色素細胞の活性化因子と抑制因子が作る波が、結果としてこれらの模様を作るのだとか。模様は複雑でありながら、仕組みはシンプルなようです。

からだの模様を生み出す波紋の原理(前編)
たまに、TV局から電話がかかってくる。番組制作AD「もしもし、あのぅ、シマウマの模様なんですけどね」筆者「はい」番組制作AD「あれは、縞模様があると空気の流れがおきて体を冷やすのに役立っている、と言う説があるそうなんですが、本当でしょうか?...

波という周期的で規則的な動きが、複雑な形態を生み出しているのですね。海の波と人の呼吸のリズムにも通ずるものがあったり、波の音を聴いてリラックスするという話もよく聞きますが、波と物質と生命は関係が深そうです。波、スゴイ。地球の営み、スゴイ。

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