太古の地球を調べていると、最も初期の地質時代の話がいくつか出て来ました。地球誕生からの46億~40億年前を冥王代と呼ぶそうで、地殻や海が生まれた頃でもあるようで、地質学的な証拠があまり見つかっていないそうです。分からないことが多く、闇に包まれているという比喩で冥王と名付けられたみたいですね。今のところ見つかっている数少ない冥王代の痕跡は、全て、最古という言葉が付くものになるようです。
最古の岩石は、カナダ北部のアカスタで見つかった花崗岩質の片麻岩という変成岩で、推定40億2千万年前の岩石だそうです。片麻岩は、花崗岩が地下深くの高温高圧で変成して出来た岩石で、日本最古の岩石も花崗片麻岩で推定20億年前なのだそうです。片麻岩という岩石は、丈夫で残りやすく年代特定がしやすいのでしょうね。

最古の地殻は、カナダのハドソン地域で見つかった岩盤で、マントルから分離したのは推定42億年前だそうです。ハドソン湾一帯に広がる岩盤は、冥王代から存在する唯一の地殻の一部なのだとか。もしかしたら、最古の岩石と最古の地殻はカナダ北部の近しい場所で見つかったのかもしれませんが、これほど古い痕跡が今も残っているというのはスゴイことですね。

最古の鉱物は、オーストラリア西部のジャック・ヒル地域で見つかったジルコンで、推定44億年前だそうです。ジルコンは、ジルコニウムのケイ酸塩鉱物で、ダイヤモンドに似た輝きを持つ宝石のようです。ジルコンは花崗岩などに含まれ、石英や長石などの鉱物に比べて、風化や変成に強く、半減期が44億7000万年のウラン238を含むのだとか。ウラン238は半減期が非常に長い元素のようで、地球が生まれたときに存在したウラン238は、最近ようやく半分になったということですね。
冥王代の痕跡を調べてみましたが、最古という響きには貴重性を感じます。変動し続けてきた地球において、誕生時から変わっていないものがあるということは凄いことですね。冥王代とその痕跡、スゴイ。地球の年月、スゴイ。