地球の天体運動に敬意を表して

認識に敬意を表して

自転を調べていると、自転軸が回転運動しているという話が出て来ました。自転軸は公転面に対して約23.4度の傾きがあり、その傾きが円を描くように移動し、約26000年の周期で一回りするそうです。歳差運動と呼ぶのですね。自転軸は、コマが止まる直前の首振りのような回転運動をしているのだとか。自転の体感がない時点で、歳差運動に体感レベルで気付けるはずがないのでしょうけど、地球は思った以上に動きがあるのですね。

自転軸の先にあるのが北極星のようで、地球の自転に伴って空を移動する星々の中で、動かない星を北極星と呼ぶようです。歳差運動によって、この北極星も移り変わっていくみたいです。現在はこぐま座のポラリス、紀元前2000年頃はりゅう座のトゥバン、紀元前12000年頃はこと座のベガが北極星で、うしかい座のアークトゥルスは大きく移動する星のようで、紀元前58000年頃に北極星だったそうです。

歳差運動:動かない星、北極星は古代では別の星だった
歳差運動とは、スリコギ運動のような動きで地球が回転する運動のことを言います。動かない星「北極星」は古代では別の星だった!?

他には、歳差運動は、春分点移動とも呼ばれているようです。春分の瞬間の太陽の位置にある星座は、現在うお座で、この星座が移り変わっていくのだそうです。この移り変わりは、約72年で角度1度分移動するので、約2150年で1星座分移動するのだとか。12星座分で1周で、前述の約26000年になるのですね。

天文の基礎知識:2. 天球と座標系 - アストロアーツ

また、自転軸の回転運動だけでなく、自転軸自体の傾きも変化しているようです。自転傾斜角と呼ぶようで、約4万年周期で21度から24.5度の範囲で変化するようで、現在は23.4度だそうです。そして、地球の公転軌道も変化しているようで、10万年周期で楕円からほぼ完全な円になったり戻ったりを繰り返しているようです。これほど動いているとなると、時代によっては地球の気候は全く別物のようになるのでしょうね。

これらの周期的変化をミランコヴィッチ・サイクルと呼ぶそうです。一部、なぜか日射量が弱いのに最も暖かくなった時代があるという、パラドクスがあったようですが、海流や風の動きなどで徐々に解明されているようです。

20240715|学術ニュース&トピックス|東京大学大気海洋研究所
東京大学 海洋研究所は、東京都中野区から千葉県柏市に移転、2010年4月、東京大学 気候システム研究センターと統合し、新たに東京大学 大気海洋研究所としてスタートしました。〒277-8564 千葉県柏市柏の葉5-1-5 電話 04-7136...

他にも自転軸は、太陽と月の重力によって約19年周期で、章動と呼ばれるわずかな揺れ動きが発生しているようです。また、地球は少し歪んだ球の形をしているので、その影響で、自由章動と呼ばれる揺れ動きが起きているのだとか。

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歳差運動から調べてみましたが、わずかな動きを含めて地球はかなり揺れ動いているようです。無重力・無抵抗の宇宙区間に、固定された軸でクルクル回っているイメージでしたが、多くの周期を合成した複雑な運動をしているのですね。地球の天体運動、スゴイ。

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