形状を調べていると、地球を含め天体はほぼ球体状だと出て来ます。自転している天体は遠心力でわずかに楕円球状になるようで、いかに楕円になっているかを表す扁平率を調べると、地球の0.3%に比べ、太陽は0.0009%で完全な球体に近いのだとか。その天体の重力の強さと、天体を構成する物質がチリ・ガスなのか、岩石なのか、などによって形状は違ってきそうですね。

地球上の球体
無重力の世界だと球体になりやすいイメージですが、地表のように重力がある場合は、球体を形取るのは難しそうです。地上では球体状や球状になるという表現が当てはまるのかもしれません。
地球上で無重力状態に近いのは、物体が空中にあるときでしょうか。液体の表面張力は、表面をなるべく小さくしようと働き、空中では他の物体と接触しないので、小さな水滴や霧の粒、噴火で飛び出した小さな溶岩などは結果、球状になるようです。また、小さな核の周りを均等に薄く何層にも重ねていくことで、アコヤ貝の真珠、雲の中の氷球である雹表のように球状になるものもあるようです。
球体状の強み
球状は、角がない分、壊れにくいという性質があったり、表面積が小さいので温度や乾燥などの外部環境の影響を受けにくい形状だと思われます。そのため、生物にとって種を守るために重要なもの、果実・種子、卵などが球状になっているのかもしれません。産卵などを考えると、球状は抵抗が少なく機能的であり、種子散布などを考えると、球状は転がりやすいことに意味があるのかもしれませんね。少し話は逸れますが、鶏卵は縦よりも横に落とした方が割れにくいのだとか。
生物での球体
また、小さな物質の中には、ほぼ球体になるものもあるようです。風媒植物と呼ばれる風で受粉するスギやヒノキなどの花粉は球形で、抵抗が小さく長距離を風に乗り、広い範囲に飛散するそうです。球形の細菌である球菌、球形のウイルスである球形ウイルスも、似たような意味で球形なのかもしれません。
生体内では、白血球などの血液細胞や、ヘモグロビンなどの球状タンパク質は、球形をしているようです。空気中よりも粘度の高い血液中を移動する場合は、抵抗が小さいことが重要なのでしょうね。細胞の核などは、均一で対称的であることに意味があるみたいです。
球体状スゴイ
他には、巨大な単細胞生物であるオオバロニア、炭素原子がサッカーボール状の構造になっているC60フラーレン、高分子結晶が球状に成長する球晶、帯電発光する球体が浮遊する球電などがあるようです。

地球上にある様々な球体状のものを調べていましたが、ミクロからマクロまで、ある種の効率や機能性を追求すると球という形が美しく合理的なのかもしれませんね。ある1点からの分布という意味では、重力場や電場も、球対称に広がっているようですし、球状は基本原理なのかもしれませんね。球体状、スゴイ。大いなる球体、地球スゴイ。