糖を調べていると、果汁や樹液などでアルコール発酵が起きているという話が出て来ました。糖を発酵させる酵母は、自然の多くの場所に存在するようで、天然のお酒も多くの場所に存在しているようです。動物たちの中には、お酒を飲む動物もいるのだとか。お酒を嗜むのは人間だけではないのですね。
自然の中のお酒
お酒の登場は約1億3000万年前だそうで、果実をつける種子植物と、糖をエタノールにするサッカロミケス属という菌が現れたことで、アルコールが生まれたみたいです。エタノールの匂いは、果実に糖が多いことを教えてくれるので、エタノールの匂いが分かる種が有利になるのだとか。発酵菌が増えると他の菌が増えないので、果実が腐り難くなったりすることにも意味があるのかもしれませんね。果実やヤシの実、木や竹の樹液もお酒になるようです。

お酒に弱い生物・強い生物
自然の中での発酵によるアルコール度数は1%~12%くらいのようです。お酒に強いか弱いかについては、アルコールを代謝する酵素を持っているかどうかで決まるようで、ゾウや犬はお酒に弱いようです。動物界一の酒豪はハムスターだそうで、人間でいえば21本分のワインを飲んでも平気な最強の肝臓を持っているのだとか。動物の世界ではカロリーは欲しいけれど、酔っぱらう必要はないのかもしれませんね。また、発電すると言われるオリエントスズメバチは、アルコール度数80%でも、ほろ酔い程度なのだとか。

酒盛り・やけ酒をする生物
自然界では、食料としているものが熟して発酵したり、貯め込んでいるうちに発酵したりするため、仕方なく耐性を身に付けて適応してきたような気もしますが、中には、アルコールを好んで摂取している生物もいるようです。ハムスターを始めとして、発酵した樹液に集まる昆虫たちや、発酵した果実を好むサルがいるようで、特にチンパンジーたちは酒盛りを楽しんでいることが分かっているのだとか。

また、失恋の傷を癒すためにやけ酒に走る生物もいるそうで、失恋したオスのショウジョウバエはアルコールを浴びるように飲むみたいです。生物には何か不思議な共通点があるのでしょうか。

お酒スゴイ
お酒は自然現象の1つのようで、糖と酵母があれば至る所にあり、生物たちもお酒と付き合って生きてきたようですね。酔うということに関しても、生物にとっての感情や欲求充足にも関係しているような気がしてきました。硬派な生存戦略からは外れているような気もしますが、総合的に種の繁栄に繋がっているのかもしれませんね。お酒スゴイ。地球のユーモア、スゴイ。