気流を調べていると、上昇気流は浮力の力で上昇するという話が出てきました。浮力は、流体の中にある物体に重力の逆方向に働く力のことのようで、水(液体)の中だけでなく、気体でも働くのですね。流体は地球の至るところにあるようなので、流体に働く浮力は、地球のほとんどの場所で働いている力なのかもしれませんね。
浮力が生み出す天気
空気が暖まると、分子の運動は活発になり、膨張すると周囲の空気より密度が小さくなるため、軽いという状態になるようです。周囲の冷たい空気が、暖かい軽い空気を押し上げることで、上向きの浮力が働き、上昇気流が生まれるのですね。この上昇気流が雲を作るので、浮力が天気や大気の循環を生み出しているとも言えるようです。
水の表面に留まる力
水中での浮力は、水中や海中の生物に利用され、魚が浮き袋を使って中層にとどまったり、クラゲが水中を漂えたりするのもこの浮力のおかげのようです。微生物やプランクトンは浮力を活用して光のある表層にとどまり、光合成を行います。浮力と水面での光合成は相性が良さそうですね。また、重力に対抗する頑丈な体がなくとも、浮いて生きていけるということは、水中のメリットなのかもしれませんね。
植物も浮力を利用している
樹木は重力の方向に根を伸ばし、重力の反対方向に幹を伸ばしていくので、重力の方向を知るセンサーを持っているのだとか。アミロプラストと呼ばれる細胞の小器官は、密度が高いため細胞内で重力方向に沈み、周囲の物体が浮力で浮き上がり、平衡石のように重力方向を把握するセンサーの一部としての機能があるそうです。植物の重力の反対方向に向かう力は、抗重力と呼ばれるようですが、この方向を決めているのは浮力だったのですね。浮力スゴイ。
山も浮いている
長期的な目で見るとマントルも流体に該当するようで、その浮力によって地殻はマントルに浮いており、重力によって沈降したり、浮力によって隆起したりするようです。山の重量も相当な重さだと思われますが、マントルに浮く地殻が支えているので、浮力で支えられているとも言えるそうです。このバランスが取れている状態をアイソスタシーと呼ぶようです。バランスが取れていない場所には、氷河のエリアがあるそうで、氷河の重みで沈んだ地域は、氷河が溶けて軽くなることで隆起し続けているのだとか。
浮力スゴイ
浮力は、大気の循環や天候をもたらし、水中の生物の営みを支え、植物の重力センサーになり、山も地上も支えているのですね。密度の差によって浮く、という現象はスゴイことなのですね。一見、同質でないものを排除するような動きに見えなくもないのですが、結果、多くの働きを生み出しているということで、溶け合うことと対になる力として重要なのかもしれませんね。浮力、スゴイ。地球の力の働きの奥深さ、スゴイ。