光を調べていると、光子という素粒子の話が出て来ました。光(電磁波)は光子の集合体なのですね。光子を光の最小単位の粒子と捉えると、光が当たるというのは、たくさんの光子が飛んできて当たっていると考えることができるようです。また、あらゆる物体は、温度を持つことによる熱放射によって常に光子を飛ばしているのだとか。熱=原子や分子の運動=電磁波の発生=光子の発生となるみたいです。
光の粒子としての光子
太陽光を光子として数えると、真夏には約1.2×1017個、曇りには約0.06×1017個の光子が、1cm²の範囲に毎秒当たっていることになるようです。植物の光合成では、クロロフィルが光子を1つ吸収すると反応が1回起きるそうで、眼の視細胞では、光受容体に光子が1つ当たると反応して光を認識しているのだとか。
光子は、小さな小さなエネルギーの粒で、質量がないので大きさという概念がないようです。また、光子は、発生した瞬間から光速で動いていて、寿命がないので、何かの物質に当たるまで止まることがないそうです。寿命はないものの、物質に当たると吸収・反射・散乱されたりして、吸収されるとその役目を終えるようです。
また、電磁気力による引き付けたり、反発したりする力を媒介するという役割もあるようで、光子の交換によって電磁気力が発生するようです。力の媒介をする粒子はゲージ粒子と呼ばれるようです。この場合の光子は、寿命は短く、物理法則に反するようで、光の粒である実在光子と区別して、仮想光子と呼ばれるのだとか。量子の世界は感覚的に不思議な気分になりますね。

エネルギーの波としての光子
特殊な実験環境や高エネルギーでない限り、光と光は重ねても素通りするようで、粒子として捉えると説明が難しい挙動を示すようです。この場合は光を波として考えるとよいようで、光の波の山と山、谷と谷が重なると増幅し、山と谷が重なると打ち消し合うことで、干渉現象が起き、隙間を通ると回り込むような回析現象が起きるのだとか。
また、光を波とすると、エネルギーの高さを周波数の高さで考えることができるようです。3Hzの脳波などの極超長波は10-14eV、3MHzのラジオの短波は10-8eV、3GHzの無線LANなどのセンチ波は10-5eV、300THzの赤外線などは1eV、400THz~790THzの可視光線などは1.6eV~3.2eVなど。
右回りや左回りの螺旋状に回転しながら進む、円偏光という現象も、光の屈折や反射という現象も、波の振動や位相という特性によって説明できるようです。波でもあり、粒子でもあるという感覚は不思議ですね。

光子の謎
光子を扱う量子の世界では、不思議なことが多いようです。2つの通り穴を設けると、波の特性で干渉縞ができて、どちらの穴を通ったか確認しようとすると、粒の特性で干渉縞が消えるのだとか。確認した記録が無くなると、また干渉縞ができるのが謎のようですね。観測問題とも言うようですが、観測という行為も何か別の意味があるのでしょうか。

この問題に対して、2つの穴に同時に存在していることを示唆する、観測結果が得られたようです。まるで、一方にマイナス光子1個、他方にプラス光子2個があって、差し引き1個の光子になる、ようなデータだったとか。別の場所に同時に存在というのは可能なのですね。
ttps://xenospectrum.com/can-photons-exist-in-two-places-at-the-same-time
また、光子には明るく輝くブライト状態と、暗いダーク状態(暗黒光子)があり、波の特性によると思われていた干渉縞は、粒子の状態でも説明可能という結果が得られたようです。見えないからといって存在していないわけではないということでしょうか。光子=明るいという概念を覆すものなのですね。

地球での光
光子の寿命がないおかげで、太陽光や遠くの星々からの光を受け取れる地球ですが、地球上でも光は生じているようです。温度をもつ物体は全て光子を放出していることとは別に、生きている生物の細胞はかすかな光を放っているようです。その光の放出は、死の瞬間にハッキリと止まるのだとか。

また、発光する生物として、キノコ、深海魚、クラゲ、ホタル、ヤコウチュウなど、この世界に光子を提供してくれているようです。
光子スゴイ
まず量子の世界が謎だらけですが、光子の世界の不思議さに、この世界の仕組みの凄さを感じます。全ての物質は光だという表現を見たことがありますが、そう思える程に物質の存在と関連が深いようです。光があっての美しさだと思いますが、光というのは凄い現象なのですね。光子、スゴイ。生物の光子が飛び交う地球、スゴイ。