トリプレットに敬意を表して

認識に敬意を表して

素粒子を調べていると、3つで1組になっているものが出て来ます。三つ組のことをトリプレットというのですね。二つ組は、プラス・マイナスやN極・S極など相反する性質を持つ双対が多いようですが、三つ組となると、組み合わせや相互作用や動きが生まれるのでしょうか。

素粒子にまつわるトリプレット

物質を構成する原子は、<電子・陽子・中性子>から構成され、さらに陽子と中性子は3つのクォークから構成されるそうです。クォークや電子には3世代あるようで、クォークには上系列の<アップ・チャーム・トップ>、下系列の<ダウン・ストレンジ・ボトム>の種類があり、電子には<電子・ミュー粒子・タウ粒子>があるようです。ニュートリノという素粒子も同じく<電子・ミュー・タウ>と3世代が存在するようです。

素粒子の世界は不思議なのですが、電荷で言えば、<プラス・マイナス・中性>という3つの状態があるように、<物質・反物質・何もない状態>というものもあるようです。

素粒子の発見と標準理論 | 素粒子を知る | ICEPP 素粒子物理国際研究センター International Center for Elementary Particle Physics
東京大学素粒子物理国際研究センター(ICEPP)は、世界最先端の粒子加速器を用いた国際共同研究で、新たな物理学の地平を目指しています。

DNAにまつわるトリプレット

DNAの塩基配列は、A・T・G・Cの4種類の塩基が並んだもので、コドンと呼ばれるこれらの塩基3つの組み合わせが、タンパク質の設計図となるそうです。DNAからmRNAに転写されると、T→Uと置き換えるようで、CGUだとアルギニン、AAUだとアスパラギン、CAAだとグルタミンを示すようです。4×4×4通りの組み合わせですが、重複もあり、できるタンパク質は20種類なのだとか。

【研究成果】遺伝暗号開始コドンの修飾がmRNAの性能を変える~修飾塩基によりmRNAからタンパク質の作られやすさが変わる新たなメカニズムを発見!~

その他のトリプレット

物質は、三相<固体・液体・気体>と呼ばれる基本的な状態を持つようで、主に圧力と温度によって変化するようです。空間も座標で表すと<x軸・y軸・z軸>と3次元で表すことができるようですし、ヒト特有なのかもしませんが、光の三原色<赤・緑・青>も、サカナやニワトリ特有なのかもしれませんが、光を感じる第三の眼がある松果体を入れて<右眼・左眼・第三の眼>も、ある種の三つ組と言えるかもしれませんね。

第三の眼:松果体における遺伝子発現と発生を制御する分子 | 東京大学

トリプレット、スゴイ

他にはヒトの認識によるところが大きいかもしれませんが、生態系での<生産・消費・分解>や、天体としての<太陽・地球・月>や、領域としての<陸・海・空>や、3つの原子からなるH₂O(水)、CO₂(二酸化炭素)なども3つ組なのかもしれません。3つの要素が存在すると、ある種の相互作用や複雑性が生まれていくと思われます。万有引力による天体の運動予測で、1つの天体は簡単、2つの天体の相互作用は計算可能、3つの天体の相互作用になると極端に難易度が上がる、三体問題のように、3つの要素は複雑系を生むのでしょうね。トリプレットの生み出す相互作用スゴイ。地球の三つ組スゴイ。

400年の未解決問題「三体問題」はなぜ難しいのか?一体問題、二体問題との本質的な違い「絡み合う数式」とは
SF小説の題材として扱われ一躍有名になった「三体問題」。簡単に言ってしまえば「天体が3つある場合、それらの天体の運動はどうなるのか?」というものですが、なぜこれが重要な問題なのでしょうか? 「一体問題」や「二体問題」はどうなのか? 天体力学...
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