アルベドを調べていると、地球に入ってくる熱と出ていく熱の話が出て来ました。熱の出入りは熱収支と呼ばれるようで。経済的な収入と支出のイメージから収支と呼ばれているのでしょうね。熱の伝わり方は、熱を持った物質が移動する対流と、熱が物質中を伝わる伝導と、電磁波が物体に当たることで熱が生まれる放射があるそうです。放射は電子レンジと同じ原理みたいですね。
地球に入ってくる熱は、主に太陽からの放射のようで、太陽の温度はあまり関係がないようです。太陽からの電磁波は、500nm前後の黄色の波長が最も強く、赤外線~紫外線まで幅広い波長を含む電磁波で、これらを合わせて太陽光となっているそうです。太陽光は、オゾン層や大気に吸収され、アルベドの主力である雲や雪原に反射され、地表に届くのは可視光線の部分がほとんどのようで、この地表に届いた電磁波によって熱が発生するのだとか。

これが熱の入りで、熱の出は、地表から赤外線として宇宙に放射されるのだそうです。この赤外線は雲や大気に吸収されたり放射されたりしながら最終的には宇宙に出ていき、トータルとして地球の熱収支は0になるのだとか。熱収支がプラスだと地球の気温は上がり続け、マイナスだと気温は下がり続けるということで、熱収支が0というこのバランスは絶妙なのですね。熱収支スゴイ。
次は、地球の質量収支で、地球に入ってくる物質と出ていく物質があるようなのです。質量の入りは、地球の重力が引き寄せる塵や隕石だそうで、年間で約1万~4万tにも達するのだとか。質量の出は、大気散逸と呼ばれる大量の水素やヘリウムの流出だそうで、年間で約7万~10万tにもなるそうです。風船にヘリウムを入れると空に上がっていくように、水素やヘリウムは軽すぎて地球の重力では留めておけないのだとか。これに加えて、地球の核では熱を発生するため、年間10数tの質量が減少しているようなので、地球の質量収支は年間数万tのマイナスのようです。大気は貴重ですね。

地球から放出された大気のうち、水素は24万km以上まで広がっているそうですし、酸素は月にまで届いているのだとか。水素と酸素が放出されているということは、地球から水が出て行っているということだと思われますが、地球の水の入りと出という意味での水収支という表現は無さそうでしたが、あるとしたら水収支もマイナスなのかもしれません。


また、地球の磁気圏では、太陽風のプラズマエネルギーを取り込んで排出しているようなので、これも収支になるのかもしれませんね。磁気圏境界でエネルギーを取り込み、尾部に蓄積し、放射線帯などで消費し、惑星間空間へ排出する、という流れがあるようで、内部で消費している分、収支はプラスということになると思われます。これに関しても解明が楽しみですね。

地球の熱、質量、水、プラズマエネルギーの収支を見てみましたが、他の収支を見てみたことで、熱収支が0ということは凄いことだ、と。そして、今ある大気も水も一期一会なのかもしれませんね。地球の収支、スゴイ。