永久凍土に敬意を表して

領域に敬意を表して

最古の岩石が見つかったカナダ北部を調べていると、この一帯は永久凍土なのですね。永久凍土は、2年以上凍結した土壌や地盤のことで、場所によっては厚さ数百mにもなるそうです。そして、北半球の20%は永久凍土だそうで、思った以上に広い範囲に広がっているようです。日本の富士山や立山の頂上付近も永久凍土に該当するのだとか。

永久凍土とは - 北極域研究共同推進拠点|J-ARC Net - Japan Arctic Research Network Center
「北海道大学 北極域研究センター」「国立極地研究所 国際北極環境研究センター」「海洋研究開発機構 北極環境変動 総合研究センター」の三機関連携による北極域研究共同推進拠点を設置します。

長い間の凍結状態が、岩石や地殻などを当時のまま保存したのかもしれませんね。凍って氷に覆われた土壌は、岩石以外にも様々な生物の遺骸を保管していたようで、約2~5万年前の犬もしくはオオカミ、サイ、絶滅した種の馬やライオン、そして約100万年前のマンモスが見つかっているそうです。マンモスのスケール、スゴイですね。さらに約200万年前のDNAも見つかっているのだとか。

「100万年前」という壁を打ち破ったマンモスの古代ゲノム | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio
165万年前のマンモスの歯からゲノム情報が得られ、古代DNA解析の最古記録が塗り替えられるとともに、更新世のマンモスの進化史がより鮮明に描き出された。
驚きの研究結果。グリーンランドで200万年前のDNAが発見される。記録を100万年更新
200万年前の世界がわかるってやっぱ科学すごい。Natureに掲載された研究結果で、グリーンランドの最北端に広がる永久凍土から見つかった環境DNAの断片を解析したところ、200万年前のものであることが判明しました。これまでで最も古いとされた...

永久凍土からは、未知の古代ウィルスや微生物も見つかっているようで、そのいくつかは蘇生に成功したそうです。氷に閉ざされて酸素などがない状態で、クリプトビオシスと呼ばれる休眠状態にあったようで、水を与えたところ蘇生したようです。まるでコールドスリープですね。

2万4千年前の微生物、蘇生に成功 シベリア永久凍土で凍結
【6月8日 AFP】ロシア極東シベリア(Siberia)の永久凍土で2万4000年間にわたり凍結されていた微小動物「ヒルガタワムシ」を蘇生させ、増殖させることに成功したとするロシア研究チームの論文が7日、米科学誌カレント・バイオロジー(Cu...

この永久凍土の保管する能力の高さを利用して、スヴァールバル諸島の永久凍土の島に、世界中の植物やその原種や野生種などの約85万種の種子を保存するプロジェクトが進んでいるそうです。種子の方舟と呼ばれているのだとか。壮大なプロジェクトですね。

永久凍土に眠る未来──スヴァールバル世界種子貯蔵庫を訪ねて
北極圏に浮かぶ島の永久凍土に、人々から「種子の方舟」と呼ばれる種子貯蔵庫がある。気候の変化や戦争などで地球が危機に瀕したとき、それでも人類が絶えぬよう世界中から農作物の種子が集められ、「そのとき」に備えている。(雑誌『WIRED』日本版VO...

そして、永久凍土での雷の威力は凄まじいようです。通常、雷は導体である地面の内部に流れていくのですが、永久凍土の地中は凍っていて電気を通さないために、地面を大量の電流が流れるのだとか。

また、永久凍土は大量のメタンや水銀も保持しているようです。大気と海の流れなどによって北極圏に水銀が集まっているようで、大量の水銀が眠っているのだとか。氷の力、スゴイですね。

永久凍土を調べてみましたが、痕跡の年月も、保持している物質の量も、壮大なエリアのようですね。太陽光を反射することも加えて、永久凍土には多くの役割があるのでしょうね。永久凍土、スゴイ。地球の気候、スゴイ。

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