キーストーン種を調べていたときに知ったことですが、サワロサボテンは水を蓄えて砂漠の生き物の生活を支えると。砂漠は生物のいない死のエリアのように思っていましたが、サボテンを始め砂漠に住む生物はかなりいるみたいなのです。発芽直後のサボテンのために必要な木陰や水分を提供するナース・プラントと呼ばれる樹木がいたり、過酷な環境で助け合って生きているのですね。
砂漠での水は死活問題なので、水の探知、水の獲得、水の保持などの機能が優れた生物が多いイメージです。水を貯めるラクダや、水場の見つけ方を共有するゾウや、空気中から水を得る植物、背中で水を受けて飲む昆虫などがいるみたいですね。また、耐熱、耐乾燥に優れた生物も多いようです。環境に対応する力というは物凄いですね。
砂漠のエリアが拡大し過ぎると問題となる気がしますが、砂漠が全くなければいい、というわけでもなさそうです。砂漠は砂漠の生態系があるのですね。
そして、砂漠の砂は海や熱帯雨林を肥やしているという側面もあるみたいなのです。砂漠の砂は風に乗って運ばれ、ミネラルを提供しているそうです。リンを含む砂がサハラ砂漠からアマゾンまで運ばれていたり、鉄分を含む砂が大西洋に運ばれていたり。大西洋の75%の鉄分はサハラ砂漠の砂由来なんですね。砂漠スゴイ。

日本でも話題に上がる黄砂も、海中へのミネラル・栄養塩の提供といった役割があるそうです。また海の島々では、雨や河川によって土や砂が海に流れ過ぎると島の土壌が減ってしまうので、減った分を黄砂などが風で運ばれて島に積もることで補っているという説も。他にはアルカリ成分を含むので、空気中で中和して酸性雨を軽減しているとも言われているようです。砂スゴイ。

砂漠化が広がってきた歴史以前にも砂漠はあったようなので、役割を果たす上でちょうどいいバランスの取れた広さというのはあるかもしれません。バランスは非常に大事だと思われますが、砂漠は多様な生態系を支えているのですね。砂漠スゴイ。地球の循環スゴイ。