生物を調べていると、しっぽに関する話も出て来ます。地球上にはしっぽがある生物の方が圧倒的に多いのですね。サソリやハチなどの毒針は、しっぽ(尾部)に分類されるようですが、多くの昆虫やナメクジなどの軟体類・貝類・微生物などを除くと、たいていの生物にはしっぽがあるようです。
ヒトやカエルのしっぽ
ヒトやカエルは幼い頃にしっぽがあるようで、ヒトはお腹の中にいるときに、小さなしっぽが形成され、吸収されて尾てい骨になるそうです。ヒトは、お腹の中で、魚類→両生類→爬虫類→哺乳類と進化を辿るという説があるようですが、その過程でしっぽが短い間だけ構築されるということのなのでしょうか。魚類にとってはしっぽ(尾びれ)が移動の原動力でしょうから、魚類から派生したものは何らかの形でしっぽが発現するのかもしれませんね。不思議ですね。
カエルはオタマジャクシのときにはしっぽがあり、成体になるとしっぽがなくなるそうです。両生類は、サンショウウオ、イモリなどの有尾類、カエルなどの無尾類に分けられるようですが、両生類の85%は無尾類のようです。ヒトもカエルも、しっぽがあるにはあるという感じでしょうか。
バランスを取るしっぽ
細い場所を歩く猫、木登りするリスやカメレオン、空から着地する鳥類全般、跳ねるカンガルーなどはしっぽでバランスを取っているようです。しっぽは、かなり重量があるようで、カンガルーなどは体重の20%~30%に達するものもあるようです。その重量をうまく使って、体全体のバランスを取っているのですね。
手のように使えるしっぽ
手のように、しっぽでものを掴むことができる動物は、しっぽで木の枝につかまるサル、しっぽで子供を抱えるカンガルーやオッポッサムがいるようです。また、手のように、振り払う仕草ができる動物は、しっぽで虫を払うウシ・ウマ・ゾウ、しっぽを振り回して威嚇するカバやワニがいるようです。確かに、四足で体を支えているウシやゾウからしたら手のように使えるしっぽは貴重な気がしますね。
飛行制御としてのしっぽ
しっぽは、飛行機の尾翼のように、飛行姿勢の安定や、方向転換のための舵としても働くこともできるようです。しっぽで方向転換やブレーキを行うハヤブサ、スズメなどの鳥類を代表として、空を滑空するモモンガやトビトカゲなども、しっぽを舵のように使うようです。
保温・エネルギー貯蔵としてのしっぽ
しっぽは体温調節としての役割もあるようで、寒いときにマフラーのようにしっぽを巻いて保温するキツネやレッサーパンダ、暑いときにしっぽから熱を放出するネズミがいるようです。また、カンガルーや一部のヤモリは、しっぽに脂肪を蓄えてることができるのだとか。カンガルーのしっぽは特に役割が多そうですね。カンガルーのしっぽ、スゴイ。
コミュニケーション・求愛としてのしっぽ
クジャクや七面鳥はしっぽ(尾部)を広げて求愛や威嚇に使うようですし、しっぽから音を出すことで威嚇するガラガラヘビのような生物もいるようです。他には、トカゲなどは本体を守るために、しっぽを切って身代わりにしたり、しっぽを頭に似せて相手を混乱させたり、しっぽに目玉模様などを持っていて注意を引いたり、などの役割もあるようです。
また、犬や猫に加え、ヤギやヒツジも感情や気分をしっぽの動きで伝えているようです。特に犬は、運動時にしっぽはほとんど役に立ってないようで、コミュニケーションに特化しつつあるようです。肉食動物にしては珍しいのだとか。

しっぽ、スゴイ
普段しっぽを使うことはありませんが、しっぽはその生物の生態や種の進化や適応に関して多くの情報を持っているようです。地球上の生物のほとんどにあるしっぽは、どこかユニークでありながらも、その役割は多岐に渡っているようです。しっぽ、スゴイ。地球の生物とその派生、スゴイ。