共鳴や共振を調べていると、同期・シンクロという話が出て来ます。自然の中では、指揮を取る存在や指令を送る存在がいるわけでもないのに、タイミングが一致したり、周期やリズムが一致することがあるようです。その仕組みが解明されているものもあれば、まだ未解明のものもあるようですが、それぞれが個別に活動していて、気付けばシンクロしているというのは不思議なことですね。
振動によるシンクロ
最初はバラバラに動いていた揺れを伴うものが、時間の経過と共に、次第にリズムが近づいてきて、結果同じリズムと同じ振幅で同期するという現象があるようです。同じ壁に掛かった振り子時計の振り子や、同じ机や板に置いたメトロノームの針などが該当するようで、振動や音波が干渉し合って同期するのだとか。物質や現象は、より安定した状態に移行すると思われるので、振幅運動を全体的なもの捉えると、同期した方が安定するということなのでしょうか。エネルギーのロスは少なそうですね。
集団によるシンクロ
特定の種のホタルは夜の森や川沿いに集まって、数千匹ものホタルがまるで打ち合わせたかのように同時に光るそうです。ホタルは、他のホタルの光を視覚的に感知し、それに自分のタイミングを合わせるという行動を取るようです。また、カエルも、雨季などに池や沼に集まり、一斉に鳴き始めるようです。最初はバラバラでも、次第にリズムが合ってきて大合唱になるのだとか。ホタルもカエルも求愛行動のようで、全体で揃っていた方がメスに見つけてもらいやすいという話もあるようです。確かに揃っていた方が、少し遠くにいた場合でも見つけることができそうです。
時期のシンクロ
その地域での花の開花のタイミングがシンクロしたり、数年~数十年に1度だけシンクロして一斉開花する植物もいるようです。気温によるところも多いと思われますが、桜の花の時期は地域で一致していると思われますし、竹は60年周期や120年周期のものがあるそうです。一斉に咲くということは、一斉に実や種が出来るので、多少、種を食べられても種の生存率が上がるメリットがあるそうです。それと比べると竹は開花すると枯死するようなので、一斉に開花して一斉に枯死する竹のシンクロはどこか不思議な気がします。

生体内のシンクロ
脳の神経細胞は、同期して発火することで情報を伝達・処理しているようです。この脳の同期は、脳波として現れるようです。睡眠時には同期はゆっくりで、集中しているときは速いテンポで同期しているみたいです。テンポが速い方が、情報処理の回数は多くなるでしょうし、視覚や聴覚などの離れた部位の情報を一致させやすくなるのかもしれませんね。また、他のヒトとも対話のリズムを合わせることで、他のヒトとの脳波もシンクロするのだとか。気が合う、波長が合う、ということなのかもしれませんね。
脳波だけでなく、ヒトの心拍数も、同じ物語を聞くとシンクロするという話があるそうです。離れた場所であっても、あまり感情が動いていなくても、シンクロするのだとか。同じものを見たり聞いたりすることで生まれる一体感や安心感につながるのかもしれませんね。

天体間のシンクロ
天体同士の間では、互いの重力によって互いの天体に潮汐力が働きます。潮汐力は、天体の引力によって、天体の形を変形させようとする力のようで、自転周期を遅らせたりするようです。この力が働き続けると自転周期や公転周期がシンクロするそうのだとか。
常に同じ面を地球に向けて動く月との関係は、地球の自転周期と月の公転周期が1:1の状態になっているからだそうです。他にも、木星の衛星の公転周期が1:2:4になっていたり、海王星の公転と冥王星の公転が2:3となっているとか。天体のシンクロは壮大ですね。
シンクロ、スゴイ
他にも、渡り鳥や魚の群れの動きが、まるで統率されているかのような動きをすることもシンクロの1つなのかもしれません。同期するという現象は不思議に感じますが、ミクロの世もが波と切り離せないでしょうし、シンクロするということには凄い力が宿るような気もします。シンクロ、スゴイ。地球上の様々なシンクロ、スゴイ。