岩石に穴をあける穿孔生物を調べていたら、地中の岩石の過酷な環境で生きる微生物の話が出てきました。極限環境微生物というのですね。普通の生物なら到底生きられないような環境で生きる微生物がいるそうです。水深5000mの栄養がほとんどなく、微生物でも身動きが取れないのような地層で、約1億年も生きた微生物が見つかったとか。微生物は寿命という概念がないにしても1億年という年月はスゴイですね。

極限環境生物は他にも、氷温に近い温度でも生きる好冷性微生物、100℃に近い温度でも生きる好熱性微生物、強酸の中でも生きる好酸性微生物、強アルカリ性の中でも生きる好アルカリ性微生物、高い塩分濃度の中でも生きる好塩性微生物、高い水圧の中でも生きる好圧性微生物、強い放射線の中でも生きる放射線耐性微生物がいるそうです。地球の至るところから微生物が発見される理由が分かる気がします。そして、未知の微生物がたくさんいると言われる理由も。

また、トルエンなどの有機溶媒の中でも増殖できる有機溶媒耐性微生物という微生物もいるのですね。有機溶媒は、他の物質を溶かす性質を持つ液体の有機化合物で、アルコール、エタノール、アセトンなどが代表だそうです。とても生物が生きていける気はしませんが、微生物スゴイですね。
これも極限環境になると思われますが、成層圏にも微生物がいるのですね。成層圏は10~50kmの高度でオゾン層がある領域だそうです。オゾンは生物に有毒だったと思われますし、極端に低い気圧だと思われます。空中浮遊生物とか気生プランクトンという呼び方もあるようです。酸素も少ないと思われますが、酸素がない中でも生きる嫌気性微生物にも該当するのかもしれません。
過酷な環境で生きる微生物を調べてみましたが、微生物の生命力の凄さや耐性獲得の凄さを感じます。このような環境で生きることにも何か意味があると思われますが、分解して循環するためなのか、生物を媒介とした何かの伝達行為なのか、いつか分かるといいのですが。微生物のおかげで、それぞれの物質や生物の存在の輪郭が曖昧になるような気もします。微生物スゴイ、地球スゴイ。