飛ぶということに敬意を表して

生物に敬意を表して

極限環境微生物を調べていたら、成層圏にも浮遊生物がいることを知りまして。空気があるということ自体が凄いことのように思いますが、空気の性質を使い重力に逆らって飛ぶことができるというシステムと、飛ぶという現象に関してです。微生物は小さく軽いために空気に運ばれることができると思われますが、それよりも大きい生物で言えば、昆虫類、鳥類、魚類、爬虫類、哺乳類、植物の種子などが挙げられそうです。

羽を持つ昆虫は小柄で軽くて飛びやすい特徴を持っていると思われますが、羽が無くても糸を使ってクモも空を飛ぶそうです。バルーニングといって、3メートルほどの複数の糸を風に絡めて飛び、数千メートルの高さに到達したり、数百キロの距離を移動したりするのだとか。風の力だけでなく、静電気を帯電した糸が、空中電場を利用して飛んでいるという説もあるようです。クモ、スゴイ。

翼がなくても飛べるんです。クモは風と電場を操って大空に舞う
空を自在に飛びまわる鳥やチョウ、ハチなどと並んで、クモも空を飛べるなんて知りませんでした。

植物の種子も飛ぶものが多いようです。タンポポのように綿毛で飛んだり、カエデやマツのようにプロペラのような形状で飛んだり、ホウセンカのように弾けて飛んだりするのですね。中でもアルソミトラという植物の種子はグライダーのような形をしていて風がなくとも1kmも飛ぶことがあるのだとか。植物の種子の散布戦略はスゴイですね。

植物だって空をとぶ? - 相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら
皆さまこんにちは。 特別企画展「とぶ!生き物展」。 春休み期間には、とても大勢のお客様にお楽しみ頂きました。

魚類、爬虫類で飛ぶ生物は、翼に似た形状や、翼の代わりになるような工夫を持つ生物が多いようです。名前もそのまま飛ぶことから付けられたと思われる、トビウオはヒレを広げ、トビカエルは水掻きを広げ、トビヘビは肋骨を広げ、トビトカゲは飛膜を広げ、空を飛ぶそうです。他にはマンタも飛ぶのですね。確かに飛びそうな形をしている気もします。

鳥じゃない、虫じゃないのに空を飛べちゃう7つの生物 | カラパイア
空を飛べるのは鳥か虫か飛行機かスーパーヒーローってところが相場なんだけど、それ以外にも結構飛べちゃう生物たちがいるみたいなんだ…

哺乳類で飛ぶ生物には、手足や尾の間に飛膜を持っている生物が多いようです。飛膜で羽ばたいて飛ぶのはコウモリだけだそうです。モモンガやヒヨケザルは飛膜で100m以上も滑空するのだとか。

鳥類は飛ぶことのスペシャリストですので、いくつかの飛び方を挙げてみます。上昇気流や地形による気流を利用して滞空するサーマル・ソアリング、海面の波に沿った気流を利用するダイナミック・ソアリング、上下に強く羽ばたく波状飛行などがあるようです。他には滞空する様子は鳥柱と呼ばれることもあるそうです。主に気流に関係する飛び方が出来てきました。鳥類は気流の使い方が上手なんでしょうね。

飛び方のいろいろ

飛ぶことで空間を立体的に使えるのは凄いことだと思いますし、重力の恩恵に与りながらも、効果的に重力に逆らって飛べるというのは何か凄く大事なことのような気もします。飛ぶことってスゴイ。地球のシステム、スゴイ。

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