六角形を調べていると、正四面体の構造の情報も結構出てくるのですね。雪の結晶が六角形なのは、氷の状態では水分子が正四面体の立体構造を取るそうで、これが平面では六角形の形になるからだそうです。正四面体は、正三角形が4つ組み合わさった立体で、正多面体の1つに該当するようです。正多面体は、全ての面が正多角形の多面体でプラトン立体とも呼ばれ、正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体の5種類だけなのですね。

他の正多面体も非常に興味深いのですが、今回は正四面体です。比較的身近なもので、正四面体の構造を取るものは、氷の他にダイヤモンド、シリコンがあるそうです。炭素は単体で、水は水素と酸素が結合して、ケイ素も酸素と結合して、正四面体の構造を取るようです。
この構造は非常に強い結合で、幾何学的に歪みがなく、圧力に強く、極めて硬い構造になるのだとか。炭素、水素、酸素、ケイ素という構成物質は、地球の地殻の構成元素TOP2である、酸素・ケイ素、海洋の構成元素TOP2である、酸素・水素、生物の構成元素TOP2である、酸素・炭素でもあるのが興味深いですね。
ケイ素と酸素が結びついたケイ酸塩鉱物は、地球の地殻やマントルを構成する主要な鉱物だそうで、これらの鉱物の正四面体構造が地球の硬さを生み出しているのかもしれません。地表は正四面体で支えられているのですね。他にはメタンなども正四面体構造を取るそうです。
この正四面体は、中心と各頂点とを結ぶ角度が一定で、約109°28′16″=約109.5度の角度を取り、マラルディの角度と呼ばれているのだとか。白銀長方形と呼ばれる縦横比1:√2の長方形に内接する菱形の角度も約109.5度になるのですね。マラルディの角度は自然界でも、蜂の巣の底や石けん膜やホタテ貝の開く角度に現れるそうです。

結晶は多面体が連結したものが多いようで、結晶の中にも正八面体と正四面体が多く見られるそうです。正四面体型は、磁性を帯びることが多いスピネル型、半導体になりやすい構造のウルツ鉱型・閃亜鉛型などがあるのだとか。
また、ほとんどの金属単体の結晶は、1つの空間になるべく多くの原子が詰め込めるようになっているようで、空間を六角柱として原子を最大に詰め込んだ六方最密構造、空間を立方体として中心と頂点に原子がある体心立方構造や、面と頂点に原子がある面心立方構造、のいずれかの構造を取るようです。これらの構造では正四面体の隙間ができるのだとか。六方最密構造・面心立方構造では8の四面体間隙、体心立方構造では12の四面体間隙があるようです。この隙間に他の原子が入り、複雑な結晶になっていくそうです。

分子の構造としても空間としても、地球上に多く現れる正四面体は、氷やダイヤモントや岩石を構築し、多くの結晶内の間隙を構築しているようです。幾何学的にも合理的な構造なのでしょうね。正四面体スゴイ、地球スゴイ。