気付きにくいことと言えば、地球の自転は気付きにくいですね。知覚できたことがないように思われます。地球は時速1670kmで地軸を中心に回転しているらしいのですが、自転の速度がこれだけ速くても認識できないということを不思議に感じます。仮に自転が無くなれば、太陽が当たり続ける場所と当たらない場所で、灼熱と極寒の世界でしょうし、マントルの流れが無くなれば地磁気も無くなってしまうと。自転しているということはスゴイことなのですね。

そして、自転1周で約1日になると思われますが、地球上のたいていの生物は、1日の長さが体内にリズムとして刻まれているそうです。約24時間を基準にした概日リズムというものがあり、眠くなったり、ホルモンの変動など、周期的な生体反応に影響していると。いわゆる体内時計のようなものでしょうか。
このリズムは、タンパク質が原子レベルで記憶しているとのことで、エネルギーを生み出す分子の活性状態が24時間周期で振動するそうです。地球の自転と同期しているような感じですね。生まれたときから当たり前の朝から夜の感覚なので、自覚があまりありませんが、生体機能ってスゴイな、と。

生物時計を支えるタンパク質を総称して時計タンパク質というのですね。概日リズムの他にも、概月リズム、概年リズム、呼吸や心拍などの1分間以下のリズムがあるそうです。これらは地球の自転以外の周期的な運動を捉えていると思われますが、いったいどうやってそのリズムを取得しているのでしょうか。
また、地球の自転は、地球の大気の循環にも影響を与えていて、本来1つの循環が3つの小循環に分かれているそうです。これによって偏西風が生まれるのですね。小循環になったおかげで、低緯度、中緯度、高緯度のそれぞれの気候が安定することになったのでしょうか。

回転のみならず地球の自転軸の角度も重要なようです。自転軸は傾いているそうですが、その傾きも複雑な生命の進化には必要みたいなんです。日本であれば、地軸の傾きによって季節があるのも趣きがあってよいのですが、生命の進化にも関係があるのですね。きっと地球は絶妙な傾きになっているでしょうね。自転スゴイ。地球スゴイ。
