自転に敬意を表して

敬意を表して

気付きにくいことと言えば、地球の自転は気付きにくいですね。知覚できたことがないように思われます。地球は時速1670kmで地軸を中心に回転しているらしいのですが、自転の速度がこれだけ速くても認識できないということを不思議に感じます。仮に自転が無くなれば、太陽が当たり続ける場所と当たらない場所で、灼熱と極寒の世界でしょうし、マントルの流れが無くなれば地磁気も無くなってしまうと。自転しているということはスゴイことなのですね。

もしも地球の自転が止まったら、どうなる⁉ あらゆる生命が死滅の危機に!/人類なら知っておきたい 地球の雑学(31) - レタスクラブ
あらためて考えると、この地球(ほし)にまつわるさまざまなことは「知っているようで知らない」ことが多いのではないでしょうか…。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上...

そして、自転1周で約1日になると思われますが、地球上のたいていの生物は、1日の長さが体内にリズムとして刻まれているそうです。約24時間を基準にした概日リズムというものがあり、眠くなったり、ホルモンの変動など、周期的な生体反応に影響していると。いわゆる体内時計のようなものでしょうか。

地球の環境変化を予測する仕組み〜概日リズム〜 | 日本脳科学関連学会連合

このリズムは、タンパク質が原子レベルで記憶しているとのことで、エネルギーを生み出す分子の活性状態が24時間周期で振動するそうです。地球の自転と同期しているような感じですね。生まれたときから当たり前の朝から夜の感覚なので、自覚があまりありませんが、生体機能ってスゴイな、と。

地球の自転周期、タンパク質が原子スケールで記憶
自然科学研究機構分子科学研究所・協奏分子システム研究センターの阿部淳研究員、向山厚助教、秋山修志教授、理論・計算分子科学研究領域の森俊文助教、斉藤真司教授、国立大学法人名古屋大学の近藤孝男特任教授、大阪大学蛋白質研究所の山下栄樹助教らの研究...

生物時計を支えるタンパク質を総称して時計タンパク質というのですね。概日リズムの他にも、概月リズム、概年リズム、呼吸や心拍などの1分間以下のリズムがあるそうです。これらは地球の自転以外の周期的な運動を捉えていると思われますが、いったいどうやってそのリズムを取得しているのでしょうか。

時間生物学用語集 | 日本時間生物学会
時間生物学は、すべての生物のすべての構造段階(共同体(群集)、個体群、個体、器官、組織、細胞など)における自律振動現象、とくに環境サイクルの長さに似た振動(概リズム)を記載し、その機構や適応機能を扱う分野で、基礎、応用を間わず、生命科学のす...

また、地球の自転は、地球の大気の循環にも影響を与えていて、本来1つの循環が3つの小循環に分かれているそうです。これによって偏西風が生まれるのですね。小循環になったおかげで、低緯度、中緯度、高緯度のそれぞれの気候が安定することになったのでしょうか。

大気大循環とは?大循環のモデルから気候までわかりやすく解説 | 地球の未来を宇宙から考えるメディア Beyond Our Planet
そよ風から台風に至るまでの気象現象や季節を生み出し、生態系を形づくる気候はすべて、地球の大気のダイナミックな動き「大気大循環」と関連しています。この記事では、大気大循環の概要、大循環のモデルとその解明の科学的な歴史、そして気候変動の予測を「...

回転のみならず地球の自転軸の角度も重要なようです。自転軸は傾いているそうですが、その傾きも複雑な生命の進化には必要みたいなんです。日本であれば、地軸の傾きによって季節があるのも趣きがあってよいのですが、生命の進化にも関係があるのですね。きっと地球は絶妙な傾きになっているでしょうね。自転スゴイ。地球スゴイ。

複雑な生命への進化には惑星の自転軸の傾きも重要!?
地球のように自転軸が傾いている惑星では、より複雑な生命へと進化する可能性が高いとする研究成果が発表されました。1992年以来、多数の太陽系外惑星が見つかっています。系外惑星で生命が存在するには、液体の水が存在できる「ハビタブルゾーン(ゴルデ...
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