最古の生物に敬意を表して

時間に敬意を表して

光合成を調べていたら、シアノバクテリアという藻類は、地球上で最初に光合成を行って酸素を生成した、原初の生物なのですね。諸説あるようですが、37億年前の岩石の中にシアノバクテリアの痕跡が見つかったそうです。ストロマトライトと呼ばれる、シアノバクテリアの粘液によって固定された堆積物による縞状構造物が発見されたのだとか。億を超える単位の年月って凄いことですね。

37億年前の「生命の痕跡」を発見か | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio
グリーンランドの岩石から発見された構造物は、37億年前の生物によって作られたものだとする研究結果が報告され、論争が巻き起こっている。

初期の地球の大気には、酸素は現在と比べて100万分の1程度しかなく、主に水蒸気と二酸化炭素と窒素で構成されていたようです。次第に海中のシアノバクテリアが光合成を始め、酸素が生成され、最初は海中の鉄を酸化して酸化鉄を生み出していたそうです。この酸化鉄は紫外線から青い光を吸収し、水は赤い光を吸収し、吸収されなかった緑の光が反射されるので、当時の海の色は緑色だったのだとか。

太古の昔、生命を育んだ海は「緑色」だった!? | Science Tokyo

植物の光合成はクロロフィルという色素を用いて、青と赤の光を吸収して緑は反射するので、植物は緑色に見えるようなのですが、海が緑色ということは光合成に使える光が少ないということになるそうです。そこで、当時のシアノバクテリアはビリンという色素を用いて、緑の光も吸収して光合成に使えるようにしていたという説があるようです。シアノバクテリアの適応力は凄いですね。

生成された酸化鉄は海底に沈み、縞状鉄鉱床となり鉄鉱石になったそうです。鉄鉱石はシアノバクテリアの光合成の結果なのですね。生物の活動の結果が鉱石になるって壮大ですね。

鉄鉱石と生物|まめ知識|応用生命科学科|学科紹介|生命科学部・大学院(生命科学研究科)|東京薬科大学
東京薬科大学:生命科学部の「鉄鉱石と生物」をご紹介します。生命科学部は他大学の生命科学系学部に見られる理学・工学や農学に加えて、医学・薬学に強いという特徴を持っており、日本トップレベルの研究を進めています。

そして、25~23億年前の大酸化イベントと呼ばれる酸素の大放出によって、酸素濃度が現在の10分の1程まで上昇したそうです。現在の酸素量の10~20倍に相当する酸素が数億年かけて大気に供給されたのだとか。酸素が増えた結果、オゾンも生成されオゾン層ができて、紫外線から地表が守られるようになったようです。

大酸化イベント - 光合成事典

現在でも、地球の酸素の50%は海中のシアノバクテリアが生成しているそうなので、シアノバクテリアは地球上の生物にとっても重要な存在ですね。酸素もオゾン層も鉄鉱石も生成していて、太古の生物でもあるシアノバクテリア、スゴイ。地球の歴史スゴイ。

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