光合成を調べていたら、シアノバクテリアという藻類は、地球上で最初に光合成を行って酸素を生成した、原初の生物なのですね。諸説あるようですが、37億年前の岩石の中にシアノバクテリアの痕跡が見つかったそうです。ストロマトライトと呼ばれる、シアノバクテリアの粘液によって固定された堆積物による縞状構造物が発見されたのだとか。億を超える単位の年月って凄いことですね。
初期の地球の大気には、酸素は現在と比べて100万分の1程度しかなく、主に水蒸気と二酸化炭素と窒素で構成されていたようです。次第に海中のシアノバクテリアが光合成を始め、酸素が生成され、最初は海中の鉄を酸化して酸化鉄を生み出していたそうです。この酸化鉄は紫外線から青い光を吸収し、水は赤い光を吸収し、吸収されなかった緑の光が反射されるので、当時の海の色は緑色だったのだとか。

植物の光合成はクロロフィルという色素を用いて、青と赤の光を吸収して緑は反射するので、植物は緑色に見えるようなのですが、海が緑色ということは光合成に使える光が少ないということになるそうです。そこで、当時のシアノバクテリアはビリンという色素を用いて、緑の光も吸収して光合成に使えるようにしていたという説があるようです。シアノバクテリアの適応力は凄いですね。
生成された酸化鉄は海底に沈み、縞状鉄鉱床となり鉄鉱石になったそうです。鉄鉱石はシアノバクテリアの光合成の結果なのですね。生物の活動の結果が鉱石になるって壮大ですね。

そして、25~23億年前の大酸化イベントと呼ばれる酸素の大放出によって、酸素濃度が現在の10分の1程まで上昇したそうです。現在の酸素量の10~20倍に相当する酸素が数億年かけて大気に供給されたのだとか。酸素が増えた結果、オゾンも生成されオゾン層ができて、紫外線から地表が守られるようになったようです。
現在でも、地球の酸素の50%は海中のシアノバクテリアが生成しているそうなので、シアノバクテリアは地球上の生物にとっても重要な存在ですね。酸素もオゾン層も鉄鉱石も生成していて、太古の生物でもあるシアノバクテリア、スゴイ。地球の歴史スゴイ。