自転や地磁気を調べていると、地熱の情報がよく出てきます。地球内部の外核では鉄などの溶けた金属が流れて、地磁気を発生させているそうですが、その金属を溶かし続けるだけの熱を地球は保持していると。日常で感じることはあまりありませんが、地球は内部に、太陽の表面温度に近い約6000度もの地熱を持っているようです。
地熱は太陽からの熱エネルギーとは別で、地球誕生時の熱に加え、放射能を持つウラン,トリウム,カリウムなどの原子核が壊れるときの熱により、持続的に地熱が発生していると考えられているそうです。半分量が崩壊するのに、それぞれ7~141億年とかなり長い間、熱が発生し続けるのですね。
この地熱のおかげで、岩石や金属が熱せられて上昇し、表側で冷やされて下降する、岩石層であるマントルの対流が発生しているそうです。マントルは低圧な海底付近で溶けてマグマになり、マグマが冷えて海底山脈からプレートが生成され、プレートは冷やされ続けて深い海溝から沈み込んでいくと。これによって地球の表層と内部の物質循環が行われるそうです。壮大な循環ですね。地熱スゴイ。
陸地から海底に流れ込んだ砂や泥や、海洋生物の遺骸、その他に沈下してきた物質など、地表の循環のゴールは海底のような気がします。海底の堆積物はプレートに運ばれて、地中と地熱を通じて新たに水や炭素、多くの岩石や鉱物として地表に出てくるのですね。マグマが冷え固まった火山灰によって土壌が豊かになったり、生命が育まれたりもするようです。

地熱によって熱と様々な物質が海底から噴出している熱水噴出孔は、非常に高い生物密度になっているようで、光が届かない海底で独立した生態系を形成しているそうです。光合成を利用した「太陽を食べる生態系」と、深海底の熱水噴出孔の「地球を食べる生態系」があるというのはスゴイことですね。
そして、地中は地上からの岩石の重みなので、常に高圧状態で、地熱によって高温状態であるそうです。この高温高圧下で、金やダイヤモンドなど鉱物が生成されたり、鉱物と水で石油が作られたりする可能性があるそうです。これからも地中の解明が進んでいくのは楽しみです。

普段は、温泉に行くときくらいしか地熱を感じることはありませんが、最も多い物量で最も時間のかかる壮大な循環を生み出している地熱スゴイ。地球の循環スゴイ。