現象に敬意を表して

ある一定の高度で空を覆う雲。様々な形に形状を変えながら、太陽光から適度に守り、赤外線を吸収して保温し、発電機にもなり、水を吸い上げるポンプや拡散するスプリンクラーにもなる、多くの役割を持つ雲に敬意を表して。

ある程度の規則を持ちながら小さく不規則に変化する、ゆらぎ。生態系の攪乱や、波のリズム、風の強さや向き、雨の強さや間隔、電子や量子のゆらぎなど、一定ではなく適度な変化を内包することが絶妙な安定を生むようです。ゆらぎに敬意を表して

海に代表される水面波、音波、電磁波、地震波、重力波など、波の性質は多くに現れるようです。物質を構成する粒子にも波の性質があり、海の波はまるで呼吸をするようであり、色素の波は生物に鮮やかな模様を作るそう。あらゆるところに現れる波に敬意を表して

色の認識は、対象物の反射光を細胞が受けて脳が解釈した結果だと。色と光と視覚の不思議。物質の反射光や生体の色素が生み出す様々な発色。世界を多彩にする色に敬意を表して

気体中に固体や液体などの微粒子が広がった状態であるエアロゾル。栄養循環が行われたり、微生物が移動したり、雲や氷雲を形成したり、太陽光の吸熱や放射を調整したり、大気中で多彩な活動が行われているエアロゾルに敬意を表して

地球には様々な熱が存在するようです。太陽から電磁波による熱、地中の放射性崩壊による熱、生体代謝による熱、火による熱、摩擦熱、電気によるジュール熱など。熱は活動を生み出し、活動が熱を生み出す。熱に敬意を表して。

人の生活にとっては必要な火。災害のイメージが強い火であるが、適度であれば、枯れ木を取り除き、土壌の栄養を増やし、新たな発芽を促す。火をうまく利用する生物は多いようです。生物多様性を支える火に敬意を表して

内側と外側に境界を持ちながら膨らんでいく泡。空気を含む身近な泡から、パン、細胞、岩石の形成から宇宙まで、泡というイメージが生み出すものの多さ。その内側に無数の世界を形成する泡に敬意を表して

空気中には匂い物質が含まれており、そこには多くの情報が存在すると。昆虫や植物は匂いでコミュニケーションを取り、魚や犬は人間をはるかに超えた嗅覚を持つそう。無数の生物が放つ、目に見えないコミュニケーションである匂いに敬意を表して

バクテリアよりも多くの窒素を提供する雷。そのエネルギーは強力で、地上と上空の電離層に届くほどの放電を行うそうです。地球の電場を充電し、植物を始めとした生命を支える雷に敬意を表して