ゾウを調べていると、ゾウは鏡で自分を認識することができる動物だということが出て来ました。自然界には鏡がないので、自分の姿を一生見ることはないのかもしれない、と不思議に思ったのですが、そもそも自己認識をする必要があるのだろうか、とも。自分の姿というのは、いったい何のための概念で、自分を認識するということにはどんな意味があるのでしょうね。不思議に感じます。
視覚による自己認識
鏡に映った姿を”自分”だと認識できるかどうかというミラーテストでは、視覚による自己認識を確認することができるようです。寝ている間にマークをつけて、鏡に映るマークの箇所を自分の体で探すかどうかで判定するみたいです。
類人猿では、チンパンジー、ボノボ、オラウータンは自己認識が確認でき、ゴリラはグレーだったとか。他には、アジアゾウ、イルカ、シャチ、鳥類で唯一のカササギ、魚類で唯一のホンソメワケベラがいるそうです。意外なことに、犬、猫、パンダ、ハムスターはグレーだったとか。自然界には鏡がないのに、鏡像認識ができる能力はどこから来たのでしょうね。

嗅覚による自己認識
尿・糞・体臭などから、自分の匂いと他者の匂いを区別できるか、というテストでは、犬、ハイエナ、ウマには区別する行動が見られたそうです。正確には、自己の匂いの記憶と他者の匂いとの区別となるようですが、なわばりを持つ生物にとって、自分と他者、自分達の群れと他の群れの区別は、得意分野なのかもしれませんね。
身体による自己認識
自分の体にくくりつけたマットを引かせるが、自分がその上に立っていては動かない状況を作り、自分の体が障害物になっていることを認識できるか、というテストでは、ゾウは90%を超える高い成功率が確認されているそうです。ゾウは高い認識力を持っているようですね。他の生物ではどんな結果になるのでしょうね。

時間的自己認識
他には、時間的自己認識と呼ばれる、過去・現在・未来の自分を認識できるかという観点もあるようです。過去の映像を流して反応を確認するということになるのでしょうか。時間的連続性と呼ばれる、自分という存在は連続して存在しているという認識のようですが、これも特殊な認識のように思われます。
自己認識スゴイ
視覚、嗅覚、身体を使った自己認識や、時間的な隔たりを含めた自己認識というのは難易度の高いものようで、自分を認識するというのは特殊なことなのかもしれません。多くの生物にとっては自己を認識する必要はないのかもしれませんし、種の存続を優先する指向や、遺伝的に自分と同じ存在を増やす植物にとっては自己という概念もあまり無くてもいいのかもしれません。自己認識というものは不思議ですね。自己認識という認知スゴイ。地球の生物の知覚、スゴイ。

